すべてはスピーカーを作ったことから始まった

「SYRINX(シュリンクス)」は、実はオーディオブランドとして誕生しました。

「なぜ建築家がオーディオを?」
良く受ける質問です。
SYRINXのスピーカー開発は、設計中に、音質・デザインで満足できるスピーカーが見つからなかったことがきっかけでした。
なら自分で作ろう、と試行錯誤を繰り返し、柔らかなボディのスピーカーにたどり着きます。

建築の知識を活かす

柔らかさにこだわったのは、音をクリアにするためです。柔らかな素材は共振がなく、振動の減衰も早い(インパルス応答性が良い)ので残響がありません。そのため、音源に忠実な音を再現できます。

しかし、欠点もあります。柔らかな素材は音を透過しやすく、透過しやすい低音ほど、内部の逆相の音の影響で、打ち消され弱くなります。

そこで建築家としての知識を活かします。建築の防音室は、まず遮音材で部屋を密閉して音を閉じ込め、音が吸音材内部を反復することで効果を高めます。柔軟で共振、残響が少なく、さらに遮音性も高い素材を外層にすれば理想だと。

理想の革との出会い

遮音性を高めるには、重さが必要です。しかし、重いものは固くなります。この相反する性質を満たす理想の素材として着目したのが革でした。

しかし、革でも、柔らかいものは軽く、重いものは固い。そのため国内外の数多くの革を吟味し、音に理想的な「柔らかく重たい革」を探し求めました。
そして巡り合ったのが、オイルをたっぷり含み、柔らかさと重さを合わせもつ、イタリアの伝統的な製法で作られるヴァケッタレザーでした。
こうして共振、残響、音漏れを極限まで抑えた夢のスピーカーが誕生しました。

SYRINX誕生

従来のスピーカーの前から迫る音は、特定のリスニングポイントに座って映画を見たり、音楽鑑賞するには適しています。しかし、BGMなど、空間全体を音で満たす用途には不向きです。
「SYRINX」は、空間と調和するスピーカーです。音源に忠実な繊細な音が、楽器のように空間全体に広がり、どこで聞いても生演奏のような臨場感ある音を愉しめます。

これまでの概念を超越する音は評判を呼び、その声に応えるため、特許を取得し、オーディオブランドとして「SYRINX(シュリンクス)」は誕生しました。