新 Etretat(エトルタ)へ
〜仏 Degermannとの歩み〜
最良の革を求めてフランスへ
フランスのアルザス地方、ストラスブールから南へ35キロ、ブドウ畑に囲まれた街、バール(BARR)。この小さな街にデギャーマン社(Tannerie Degermann)はあります。
私たちが新たな革の生産をデギャーマン社に依頼した理由。それは、彼らがフランス最古かつ最高のタンナーであり、伝統と品質への深いコミットメントを持っていたからです。デギャーマン社の創業者ギュスターヴ氏から最後のニコラ氏まで、その情熱、価値観、技術は連綿と受け継がれてきました。
今回、SYRINXのために彼らが特別に手がけた新しい革は、単なる素材ではなく、特別な価値が宿ります。
Etretat(エトルタ)の美しい海岸
フランス・ノルマンディー地方、白いライムストーンの断崖が続く海岸エトルタ。優しい光に包まれ、穏やかで詩的な風景が広がる美しい海岸線は、モネなどの印象派の芸術家たちも魅了してきました。
その自然が奏でるシンフォニーからインスピレーションを得て、美しく、深く、魅力あふれるカーフレザーのカラーバリエーションがうまれました。
フランス・デギャーマン社への訪問
2022年秋、サンプル確認と打ち合わせのために、私たちはフランスのデギャーマン社を訪問しました。
私たちの色に対する強いこだわりを共有し、新しい革の方向性を明確にするためには、顔を合わせ、直接コミュニケーションすることが大切だからです。また実際に訪れ、緻密な生産プロセス、熟練した職人たちの手仕事、それと歴史ある工場と豊かな環境には深い感銘を受けました。
私たちのこだわりを実現するためには、それからさらに一年を要し、2023年秋にエトルタは完成しました。
デギャーマン社の歴史の結晶Etretat
フランス最古のタンナーとして歩んできたデギャーマン社も、時代の変化から、近隣のHaas社(同じく19世紀創業)との経営統合を選択しました。
私たちの革の生産を最後に、歴史あるデギャーマンの工場は閉鎖し、あわせて社長のニコラ氏も退きます。
デギャーマンとニコラ氏の最後の仕事となったエトルタは、彼らの歴史と技術の結晶です。
私たちの革が、長い歴史の集大成を飾ることになり、身に余る光栄です。
デギャーマンの情熱、技術、そしてエトルタの生産は、Haas社に継承され、さらなる高みを目指し、これから新たな船出が始まります。
この革を採用した商品の発表は後日となります。今しばらくお待ちください。
※ 現在発売中のHasamu® A4 Etretatとは全て異なるカラーです