最大級表現の時代に選ぶ「言葉の誠実さ」
気がつくと、プロダクトの世界では「最薄」「最小」「最軽量」といった最大級表現があふれるようになりました。 最近では、「最薄を目指す」「最小クラスを目指す」といった、将来目標をうたう文言まで多く見かけるようになりました。
もちろん、薄さや軽さの追求自体はとても良いことです。 業界がより良いものを目指して進化することは、私たちにとっても喜ばしいことです。
けれども、SYRINXは、これらの最大級表現を慎重に扱ってきました。 いえ、むしろ積極的に「使わない」という選択をしてきました。 そこには、単なる美学だけではなく、ものづくりの倫理に対する私たち自身の考えがあります。
なぜ最大級表現は誤解を生みやすいのか
「最薄」「最小」「最軽量」。 これらの言葉は、顧客の心を掴むのに非常に魅力的です。 消費者にとってわかりやすく、事業者にとっても使いやすい。 しかし同時に、現実よりも良く見せる誘惑を強く生む言葉でもあります。
誇大広告というほど激しくなくとも、曖昧な最大級表現は、たった一言で認識を大きくねじ曲げてしまう。それほど扱いの難しい言葉です。
「目指す」は免罪符にならない
「〜を目指す」という言葉なら、あくまで目標だから法的に問題ない。そう捉えられがちですが、それは必ずしも免罪符にはなりません。
大切なのは、事業者の意図ではなく「一般消費者がどう受け取るか」です。(※これは景品表示法における優良誤認の判断基準でもあります。) 作り手が未来の目標を語っているつもりでも、読み手が「今、目の前にある製品が最薄クラスなのだ」と誤認してしまえば、そこには現実との乖離が生まれます。
最大級表現が危ういのは、こうした「受け手視点の軽視」を無意識のうちに引き起こしてしまう点にあります。
SYRINXが最大級表現を使わない理由
SYRINXが最大級表現を避けてきた理由。 それはとてもシンプルです。誠実でありたいと考えているからです。
私たちにとって、薄さは目指す目標ではなく、構造がもたらす必然の結果です。 言葉で飾らなくても、理由が明白であれば、誇張表現はいらない。
そしてもう一つ。 言葉もまた、デザインの一部だと考えているからです。
最大級表現は魅力的ですが、実態を覆い隠す危うさがあります。 製品に嘘がないように、言葉にも嘘がないようにしたい。
「誠実な言葉」は、「誠実なデザイン」と同じくらい大切だと、SYRINXは考えています。
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